蕗屋清一郎

蕗屋は同級生斉藤の下宿先の老婆の財産を狙い、巧妙に計画を立て殺人を実行する。 犯行後も笠森判事の考案した心理試験にも十分な準備をして臨み、完全犯罪が完成したかにみえた。しかし、試験結果の完璧ゆえかえって明智に疑われ、屏風の記憶に関する証言がもとで、ついに犯行を白状させられる。

「心理試験」
大正14年2月/「新青年」


文代

「魔術師」の娘だが、心やさしい女。 魔術師の船に監禁されていた明智を助け、父親の悪事を阻もうと一人努力する。 事件解決後、明智探偵事務所の助手となり、「吸血鬼」の事件で活躍。そしてついに結婚、明智小五郎夫人となる。その後も乱歩作品には何度か登場し、「人間豹」ではサーカスで裸にされたり、熊の縫いぐるみに閉じ込められたり、ひどい目に遭う。 文代は胸を病んで療養して、その後静かに亡くなる。 以外にも乱歩は文代に不幸な運命を用意している。

「魔術師」
昭和5年7月〜6年5月/「講談倶楽部」